冷凍ハンバーグは体に悪い?実食した管理栄養士が常備を考えた
冷凍ハンバーグは体に悪い?味の素「洋食亭ハンバーグ」を298円で買って管理栄養士が実食。肉汁の正体、添加物5つ、塩分2.3gまで写真付きで公開します。買わない派だったぼくが、常備を考えた話。
大変です。実は今まで冷凍のを買ったことがなくて、今回はじめて買ってきました。
ぼくは冷凍ハンバーグを、一度も買ったことがありませんでした。
管理栄養士だから避けていた、という話ではありません。ハンバーグという料理自体がひき肉のかたまりで、そこにパン粉と脂が入る。とりたてて体にいい料理ではないので、わざわざお金をかけて買うところじゃないと思っていました。食べたければ作ればいい、と。
その考えのまま、今回はじめて買って食べました。味の素の「洋食亭ハンバーグ 和風玉葱ソース」、160gで298円。イオンの冷凍ケースに並んでいたハンバーグの中で、いちばんコスパが良かったのがこれです。
食べ終わってから思ったことを先に書きます。これ、家に常備してもいいかもしれない。
袋の裏も全部読みました。原材料、添加物5つ、塩分。ついでに、隣に並んでいたデミグラスソース版と表示を並べて、自分の選び方が正しかったのかも確かめています。
結論:買ってこなかった側の人間が、常備を考え始めた
冷凍ハンバーグは体に悪くないです。
表示を全部読みましたが、怖がる理由になるものは出てきませんでした。原材料の上位に並んでいたのは、家でハンバーグを作るときにボウルへ入れるものとほぼ同じです。
そのうえで、気にするならここ、というのが2つあります。塩分2.3gと、脂質15g。どちらも「食べるな」という話ではなく、知っておけば対処できる範囲です。後半に書きました。
先に、この記事でいちばん言いたいことを書いておきます。
「1食分なら問題ありません」。冷凍食品の記事を読むと、たいていこの一文が出てきます。ぼく自身、うちの冷凍食品の記事で似た書き方をしています。
でも、この記事を読んでいる人は、たぶんそこにいません。月に4回も5回も食卓に出ていて、それが1食分の話に当てはまるのか分からないまま検索している。「うちは1食じゃないんだけどな」と思っている人に向けて、この記事を書いています。
安心させる一文で終わらせると、その外にいる人が置き去りになるんですよね。今回はそこまで書きます。
298円で買って、湯せん18分。食べた記録
買ったのはこれです。
味の素「洋食亭ハンバーグ 自家製和風玉葱ソース」。1袋160gで298円、100gあたり186円でした(ぼくが買ったときの値段です。店や時期で変わります)。個包装で1個入り。
調理方法を見て、まず引っかかりました。
沸とうしたたっぷりのお湯に、凍ったままの商品を袋ごと入れ、再び沸とうしてからフタをせずに中火で約18分間温めてください。
レンジ調理の記載がありません。湯せんのみで18分。
冷凍食品といえばレンジで3分、というつもりでいたので、鍋を出してお湯を沸かす時点で「あ、面倒くさいやつだ」と思いました。買う前に知りたい情報だと思うので、ここは隠さず書いておきます。
味は、おいしかったです。
切ったら肉汁が出てきました。パッケージの写真どおりで、これは誇張ではありません。味つけはしょっぱめで、ごはんに合う方向です。
ライスと一緒に食べて、160gは思っていたより量がありました。副菜か汁物をつけるなら、ハンバーグは半分でも足りると思ったくらいです。
ちゃんとおいしかったんだ。冷凍だから期待してなかった。
298円の想定を超えてました。外で食べるハンバーグとは別物ですけど、家の夕飯に出てきて文句が出る味ではないです。
肉汁の正体は、原材料の4番目に書いてあった
冷凍ハンバーグでいちばん不思議なのは、なぜ家で作るよりジューシーなのかというところだと思います。あれだけ長く凍っていたものが、切ったら肉汁があふれる。何か特別なことをしているんじゃないか、と。
袋の裏を読んだら、答えが書いてありました。
原材料は、重い順に書くルールになっています。この商品はこの順番でした。
- 食肉(牛肉、鶏肉、豚肉)
- たまねぎ
- つなぎ(パン粉、卵白、でん粉、乳たん白、豚肉たん白)
- 豚脂
- 食塩
- しょうゆ
上から3つは、家でハンバーグを作るときにボウルへ入れるものとまったく同じです。肉、玉ねぎ、パン粉と卵。ここに驚きはありません。
家庭と違うのは4番目でした。豚脂。肉に含まれる脂とは別に、脂だけを足しています。
これが肉汁の正体です。特別な薬品でも、注射でもない。単純に、脂を多めに入れてある。 だから切ると出てくるし、だからおいしい。
家で作るときに、ひき肉を赤身の多いものにするとパサつきますよね。あれの逆をやっているだけです。やっていること自体は、家庭の調理と同じ方向ですよ。
牛肉の産地はオーストラリアと書いてありました。袋には日本冷凍食品協会の認定工場マークもついています。
添加物は5つだけ。チャーハンの半分でした
原材料表示のスラッシュより後ろが添加物です。この商品は5つでした。
| 表示名 | 何のために入っているか |
|---|---|
| 加工でん粉 | 食感を保つ。片栗粉の仲間 |
| 調味料(アミノ酸等) | うま味。昆布やかつお節の成分 |
| pH調整剤 | 酸性度を調整して日持ちさせる |
| 増粘剤(加工でん粉、キサンタン) | ソースのとろみづけ |
| 調味料(アミノ酸) | ソースのうま味 |
5つです。 別の記事で冷凍チャーハンを調べたときは9つ入っていたので、その半分ちょっと。「冷凍食品=添加物まみれ」を覚悟して裏を見ると、拍子抜けします。
面白かったのがキサンタンです。聞き慣れない名前ですが、味の素が袋に自分で注釈を書いていました。
糖類を発酵させて作られており、ソースのとろみ付けに使用しています。
聞かれてもいないのに説明している。隠すどころか、書いてあります。ちなみにキサンタンガムは、ドレッシングやアイスにも普通に使われているとろみ剤です。
念のため書いておくと、ここに並んでいる5つは全部、国が安全性を確認して使用を認めているものです。ふつうに食べる量で心配することはありません。
書いてあるなら最初から言ってくれればいいのに。字が小さすぎて誰も読まないよ。
それはほんとにそう。読ませる気があるサイズじゃないです。だからこの記事で読んでます。
正直に気になったのは、塩分2.3gと18分
いいところばかり書いても意味がないので、気になった点を先に出します。
1袋160gの数字です。
| 1袋(160g)あたり | |
|---|---|
| エネルギー | 243kcal |
| たんぱく質 | 13g |
| 脂質 | 15g |
| 炭水化物 | 14g |
| 食塩相当量 | 2.3g |
食塩2.3g
ぼくは食べているときに「しょっぱめだな」と思いました。あとでラベルを見たら、その感覚がそのまま数字になっていました。
1日にとりたい塩分は、国が出している食事摂取基準で男性7.5g未満・女性6.5g未満とされています。ハンバーグ1個で、女性の1日分の3分の1が入っています。
多いか少ないかで言えば、多いほうです。ただ、これは冷凍だから多いわけではありません。ソースをかける料理は総じてこうなります。家で作ったハンバーグにソースをかけても、似たようなところに着地します。
対処は簡単で、この日は汁物を足さない。みそ汁を1杯つけると、それだけで1.5gほど乗ってきます。ライスと一緒に食べるぶんには塩分は増えないので、そこは気にしなくて大丈夫です。
もっと効くのが、さっき書いた「半分でいい」のほうです。副菜や汁物をつける日は、ハンバーグを半分にする。 それだけで塩分は1.15gまで下がります。食べたときに「半分でも足りるな」と感じたのは、たぶん味が濃かったからでもあります。満足感と塩分は連動しているので、体感のほうを信じて減らして大丈夫です。
血圧や腎臓のことでお医者さんから塩分を言われている人は、この記事よりお医者さんの指示を優先してください。ここに書いているのは、特に制限のない人の話です。
脂質15g
243kcalのうち、半分以上が脂から来ています。豚脂を足してあるぶん、当然そうなります。
揚げ物を1品食べれば、これくらいの数字にはなります。おいしさの正体が脂だと分かったうえで食べる、というだけの話です。
たんぱく質13gは、主菜としては少し軽い
13gという数字は、1食の目安である20g前後に届いていません。肉100%ではなく、パン粉やでん粉のつなぎが入るぶん薄まります。
とはいえ、ここで慌てる必要はないです。夜に納豆を食べれば、一日でつじつまが合います。 どうしてもこの一食で埋めたいなら、卵かチーズをのせるのが手っ取り早いです。
18分
味の面ではなく、生活の面で。鍋を出す、お湯を沸かす、18分待つ。 レンジで3分のつもりで手に取ると、この差はけっこう効きます。
ただしこの18分には、あとで書くとおり救いがあります。
「和風のほうがヘルシー」を確かめたら3勝1敗だった
売り場で、この商品の隣にデミグラスソース版が並んでいました。ぼくが和風玉葱を選んだ理由は、正直に言うと「和風のほうがヘルシーそうだから」です。
管理栄養士がイメージで選んでいます。なので、帰ってから公式サイトで表示を並べてみました。
| 和風玉葱 160g | デミグラス 165g | |
|---|---|---|
| エネルギー | 243kcal | 287kcal |
| たんぱく質 | 13g | 13g |
| 脂質 | 15g | 19g |
| 炭水化物 | 14g | 16g |
| 食塩相当量 | 2.3g | 2.1g |
カロリー、脂質、炭水化物は和風の勝ち。塩分だけ負けました。
内容量が5g違うので100gに揃えても、塩分は和風1.44g・デミ1.27gで、やはり和風のほうが多いです。しょうゆベースなので、言われてみれば当たり前でした。
ソースの原材料を比べると、差がはっきりします。
- 和風玉葱:たまねぎ、しょうゆ、醸造酢、砂糖、香辛料
- デミグラス:トマトケチャップ、マーガリン、トマトペースト、小麦粉、ソテーオニオン、ホワイトルー(小麦粉、バター)、砂糖…
デミにはバターとマーガリンと小麦粉が入るので、脂とカロリーが上がる。かわりに塩分は控えめ。そういう構造でした。
和風って書いてあると、なんとなくヘルシーな気がしちゃうよね。
ぼくもそう思って手に取りました。3つは当たってましたけど、塩分は外してます。プロでもイメージで選んでるという話です。
塩分を減らしたい人はデミグラス、カロリーと脂を抑えたい人は和風。どっちが上ということはありません。
手作りの30分と、湯せんの18分は別物
ここが、ぼくの考えが変わったところです。
ぼくは今でもハンバーグを手作りします。数か月に1回、まよ子にリクエストされたときだけ、休日に作ります。平日には絶対に作りません。 理由は時間ではなく、工程です。
- 玉ねぎをみじん切りにして、炒めて、冷ます
- ひき肉とパン粉と卵を入れて、手でこねる
- 成形して、焼く
- 焼いたあとのフライパンでソースを作る
- ボウル、まな板、フライパン、手を洗う
30分では終わりません。 玉ねぎを冷ます時間を入れるともっとかかるし、なにより手とボウルがベトベトになります。ぼくが一番いやなのは洗い物です。ハンバーグは、料理のコストがとても高い部類に入ります。
これと18分を並べると、意味が変わります。
| 手作り | 冷凍(湯せん) | |
|---|---|---|
| かかる時間 | 30分以上 | 18分 |
| その間 | ずっと手が塞がる | 何もしなくていい |
| 洗い物 | ボウル・まな板・フライパン・手 | 鍋と皿だけ |
18分は待ち時間で、30分は作業時間です。 袋を鍋に落としたら、あとは風呂に入っていても洗濯物をたたんでいてもいい。
材料費だけを比べれば、手作りのほうが安いです。ひき肉と玉ねぎとパン粉なら298円はかかりません。それでも買う価値がある、というのが今回の結論です。ぼくが「常備してもいいかも」と思ったのは、味というより、この工程が丸ごと消えるからでした。
手作りをやめた話ではないです。休日に作るハンバーグはこれからも作ります。平日の分を冷凍に任せるだけで、たぶんどっちも続きます。
売り場のハンバーグは3タイプ。選び方は2つだけ
売り場に立ってみて、意外だったことがあります。ハンバーグだけの商品は、思ったより少なかったんです。
ぼくが行ったイオンだと、こういう内訳でした。
- ハンバーグ単品(今回買ったもの)……4〜5種類
- ごはんと一体になった冷凍弁当スタイル……そこそこの数
- お弁当用のミニハンバーグ……そこそこの数
冷凍ケースはハンバーグ関連の商品でにぎわっているのに、「夕飯の主菜として1個食べるもの」に絞ると、選択肢は5つ前後しかない。棚の前で毎回迷っている感じがするのは、用途の違う3タイプが混ざって並んでいるからです。
自分がどれを探しているかを先に決めれば、それだけで棚は半分以下になります。
そのうえで、単品を選ぶときの物差しを2つ置いていきます。ランキングは作りません。ぼくが食べたのは1種類だけなので、比べようがないからです。
1つめ:原材料のいちばん最初が「食肉」か
これはうちの別の記事で「原材料欄に肉が最初に来ているものを選べば十分」と書いた基準です。今回、自分でその物差しを当ててみました。
この商品は1番目が食肉、2番目がたまねぎでした。合格です。
商品によっては、つなぎや植物性たん白が先に来ているものがあります。それは肉より、かさ増しの材料のほうが多いということです。安さの理由がそこにあるだけなので、悪いわけではありません。ただ、肉を食べたくて買うなら、1番目を見れば分かります。
2つめ:100gあたりの食塩相当量
この商品は100gあたり1.44gでした。これが一つの基準になります。
気になった商品の裏を見て、1.44gより低ければ塩分は控えめ、高ければ多め。それだけです。「1袋あたり」で書いてある商品は、内容量で割れば同じ土俵にのります。
2つなら見られそう。全部の数字を見るのは無理だけど。
全部見なくていいです。1番目の材料と、塩分だけ。10秒で終わります。
まとめ
298円のハンバーグを1個買って、食べて、表示を全部読んだ結果です。
- 原材料の上位3つは、家で作るときにボウルへ入れるものと同じだった
- 肉汁の正体は4番目の豚脂。特別なことはしていない
- 添加物は5つだけ。冷凍チャーハンの9つより少なかった
- 気になるのは食塩2.3gと脂質15g。汁物を足さないか、ハンバーグを半分にすれば下がる
- 「和風=ヘルシー」は3勝1敗。塩分はデミグラスのほうが少ない
- 湯せん18分は面倒。ただし手作り30分と違って何もしなくていい18分
冷凍ハンバーグが月に4回でも5回でも、それで体を壊すことはありません(塩分の制限を受けている人は、お医者さんの指示のほうが優先です)。回数を数えるより、その日に野菜を1つ足すほうがずっと効きます。冷凍ブロッコリーでも、ミニトマトを皿に転がすだけでもいいです。
そして、買ったことがなかった人間の感想として、ひとつだけ。
ハンバーグは、買う価値の高い料理でした。 作れば30分と洗い物がかかるものが、298円と18分で出てくる。ぼくが今まで避けていたのは、栄養が理由ではなく、単に自分で作ればいいと思っていたからです。今回それを実際に比べてみて、考えが変わりました。
まだ「常備します」と言い切るところまでは行ってません。でも、次にイオンに行ったらまた買うと思います。それくらいには考えが変わりました。
冷凍食品ぜんぶの話が気になる人は、種類別にまとめた記事もあります。
ハンバーグを冷凍に任せられても、献立を考えること自体がしんどい日は別にあります。冷凍庫を開けて何を出すか決めるところで力尽きる、という段階です。
そういう時期に、献立ごと届く宅配を実際に頼んで、値段に見合うかを確かめました。
よくある質問
Q冷凍ハンバーグは体に悪いですか?
A体に悪くありません。味の素「洋食亭ハンバーグ 和風玉葱ソース」の原材料を確認したところ、上位は食肉・たまねぎ・つなぎ(パン粉、卵白など)で、家庭でハンバーグを作るときの材料とほぼ同じでした。添加物も5つだけで、いずれも国が安全性を確認したものです。気にするなら食塩2.3gと脂質15gですが、汁物を足さないか、ハンバーグを半分にすれば問題ない範囲です。
Q冷凍ハンバーグの肉汁は何が入っているからですか?
A原材料の4番目に入っている豚脂です。肉に含まれる脂とは別に、脂を足してあるため切ると肉汁があふれます。特別な薬品や添加物ではありません。家庭でも赤身の多いひき肉だとパサつくため、脂の多いひき肉を使いますが、それと同じ方向の工夫です。
Q冷凍ハンバーグは毎日食べても大丈夫ですか?
A回数に医学的な線引きはなく、月に4〜5回食べたから体を壊すような食べ物ではありません。回数を数えるより、ハンバーグの日に野菜を1つ足すほうが効果があります。冷凍ブロッコリーやミニトマトで十分です。なお塩分制限を受けている方は医師の指示を優先してください。
Q冷凍ハンバーグはレンジで調理できますか?
A商品によります。今回食べた味の素「洋食亭ハンバーグ 和風玉葱ソース」は湯せん専用で、沸騰したお湯に袋ごと入れて約18分と表示されていました。レンジ対応の商品もあるので、買う前にパッケージの調理方法を確認してください。湯せんは時間がかかりますが、その間は手が空きます。
Q冷凍ハンバーグはどれを選べばいいですか?
A見るところは2つです。1つめは原材料のいちばん最初が「食肉」または「肉」になっているか。つなぎや植物性たん白が先に来ている商品は、肉よりかさ増しの材料が多いということです。2つめは100gあたりの食塩相当量。今回の商品は1.44gだったので、これを基準に比べられます。



ハンバーグ食べたい。作るの大変なら、冷凍のでもいいよ。